かま‐す【叺】
〘名〙 (古く「蒲(かま)」の葉で編み作ったところから「蒲簀(かます)」の意という)
① わらむしろを
二つに折り、左右両端を縄で綴った袋。
穀物、菜、粉などを入れるのに用いる。
かますだわら。かまけ。
※
書紀(720)大化五年三月(北野本訓)「絹四匹・布二十端
(はたちはし)・綿二褁
(ふたカマス)賜ふ」
※
洒落本・伊賀越増補合羽之龍(1779)仲町梅音「くゎい中のかますよりあいせんのみゑへいを出し見れば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「叺」の意味・読み・例文・類語
かま‐す【×叺】
1 《「蒲簀」の意。古くはガマで作った》わらむしろを二つ折りにし、縁を縫いとじた袋。穀類・塩・石炭・肥料などの貯蔵・運搬に用いる。かまけ。
2 刻みタバコなどを入れる1の形の袋。
[補説]「叺」は国字。
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世界大百科事典(旧版)内の叺の言及
【むしろ(筵∥莚∥蓆)】より
…穀物の乾燥用などの農作業用や荷物の包装材料としても広く用いられる。〈かます(叺)〉はむしろを二つ折りにして左右の両端を縫い閉じたもので,肥料,石炭,塩,穀類などを入れた。むしろはむしろ機,筬(おさ),刺竹(さしだけ)などを用いて織る。…
※「叺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」