…これらはイスラムではなく,西欧列強の支配下にある中東イスラム世界の政治社会状況と法的地位(とくに領事裁判などを含むカピチュレーション)について調査したもので,法制調査もイスラム法ではなく,領事裁判制度や通商協定などに主たる関心が向けられている。吉田正春の《外務省御用掛吉田正春波斯(ペルシア)渡航一件》(1880。のちに《回疆探険波斯之旅》として1894年に刊行)は,イランからイラク地方にかけて行われた現状調査であり,表面上通商上の目的をもっていた。…
※「吉田正春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」