吏部王記(読み)りほうおうき

改訂新版 世界大百科事典 「吏部王記」の意味・わかりやすい解説

吏部王記 (りほうおうき)

醍醐天皇の皇子重明親王(906-954)の日記。《李部王記》とも書く。書名は親王の極官式部卿の唐名〈吏部尚書〉に由来する。現在伝わっている《吏部王記》と題する写本は,(1)逸文を収集したもの,(2)《醍醐寺雑事記》とみなすべきもの,(3)偽書,のいずれかに属し,本来の《吏部王記》の写本は知られていない。《西宮記》《北山抄》《政事要略》などの諸書に引用された逸文は920年(延喜20)より953年(天暦7)に及び,元来はかなり詳しく朝儀を記した浩瀚(こうかん)な日記であったと推定される。《史料拾遺》《史料纂集》に逸文を収集して収める。
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百科事典マイペディア 「吏部王記」の意味・わかりやすい解説

吏部王記【りほうおうき】

醍醐(だいご)天皇の皇子重明(しげあきら)親王の日記。《李部王記》ともいう。書名は親王の官職式部卿(しきぶきょう)の唐名〈吏部尚書(しょうしょ)〉にちなむ。現存の写本は,逸文(いつぶん)を収集したもの,《醍醐寺雑事記(ぞうじき)》とみなすべきもの,あるいは偽書のいずれかに属する。《西宮記(さいきゅうき)》《政事要略》などに引用される逸文は920年から953年に及び,本来は朝廷儀式などを記した膨大な日記であったとみられる。

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