(読み)リン

デジタル大辞泉 「吝」の意味・読み・例文・類語

りん【吝】[漢字項目]

[音]リン(呉)(漢) [訓]やぶさか しわい
物惜しみをする。けち。「吝嗇りんしょく倹吝慳吝けんりん

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精選版 日本国語大辞典 「吝」の意味・読み・例文・類語

りん【吝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) もの惜しみをすること。けちなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「吝(リン)私欲より出、倹約天理より出」(出典町人嚢(1692)二)
    2. [その他の文献]〔論語‐堯曰〕

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普及版 字通 「吝」の読み・字形・画数・意味


7画

(異体字)悋
10画

[字音] リン
[字訓] おしむ・やぶさか・はじる

[説文解字]
[甲骨文]
[その他]

[字形] 会意
(文)+口。古文字形(ぶん)に従う。は文身。死者の胸に通過儀礼として施すもので、はその文身の美をいう。口は(さい)、祝を収める器。死者について祈る意象の字であるらしく、〔説文〕二上に「恨惜(こんせき)するなり」とし、(ぶん)声とするが、声が合わない。〔段注〕に「多く之れを(かざ)るに口を以てす」と口説を以て文飾する意とするが、吝嗇(りんしよく)の意を説きがたい。〔易〕の卦爻の辞に「くときは吝なり」のように凶の意に用いる。凶事のときの儀礼に関する字と思われる。〔書、仲之誥〕に「ちを改めて吝(をし)まず」とは憚らぬ意。のち吝嗇の意に用いる。

[訓義]
1. おしむ、やぶさか。
2. ものおしみする、むさぼる。
3. はじる、うらむ。

[古辞書の訓]
名義抄 ヲシム・ムサボル・ヤブサガル・ヤフサガシ・ヤヤヒサシ 〔字鏡〕悋 ヲシム・キシム・ムサボル・ツタナシ・ヤウサシ・ヒサク・ヒロク・アヤシ

[語系]
吝linと・婪lm、貪thmとは声義に通ずるところがあり、みなむさぼり、おしむ意がある。

[熟語]
吝愛・吝細吝嫉吝情・吝嗇吝色吝心吝惜
[下接語]
愛吝・悔吝咎吝驕吝・倹吝・慊吝・慳吝・惜吝・繊吝・貪吝・偸吝・鄙吝・

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