貪吝(読み)ドンリン

デジタル大辞泉 「貪吝」の意味・読み・例文・類語

どん‐りん【貪×吝】

[名・形動]欲が深くてけちなこと。また、そのさま。たんりん
「彼の―なる欲を忘れ」〈逍遥小説神髄

たん‐りん【×吝】

欲が深くて、けちなこと。
「―奢侈誹謗の類は何れも不徳の著しきものなれども」〈福沢学問のすゝめ

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精選版 日本国語大辞典 「貪吝」の意味・読み・例文・類語

どん‐りん【貪吝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 物をむさぼり、しかも、過度に物惜しみすること。欲深く、けちなこと。また、そのさま。たんりん。
    1. [初出の実例]「美術は、〈略〉気格高尚なるが故に貪吝(ドンリン)刻薄の状を伏す」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐光武十王伝・任城孝王尚〕

たん‐りん【貪吝・貪悋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 財をむさぼって出し惜しみすること。けちなさま。どんりん。
    1. [初出の実例]「一毫も矜高自大の心なく、貪吝の念なく」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八)
    2. [その他の文献]〔南史‐何敬容伝〕

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普及版 字通 「貪吝」の読み・字形・画数・意味

【貪吝】たんりん

多欲でけち。〔世説新語、言語注に引く続晋陽秋〕殷仲、性甚だ貪吝、多く賄賂(わいろ)をめ、家に千金を累ぬるも、常に足らざるが(ごと)し。

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