吟味役（読み）ギンミヤク

デジタル大辞泉

ぎんみ‐やく【吟味役】

⇒吟味掛ぎんみがかり

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ぎんみ‐やく【吟味役】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 江戸時代の裁判で、訴訟や犯罪を調べ糾(ただ)すことを担当する役人。評定所および勘定奉行所では評定所留役、寺社奉行所では吟味物調役、町奉行所では吟味方与力がこれにあたる。吟味方。吟味掛。
   1. [初出の実例]「国中吟味役(キンミヤク)を仰付させられし御目がね違はす」(出典：浮世草子・武道伝来記（1687）三)
3. ② 金銭、物品などの管理、出納事務の執行を監査する者。監査役。
   1. [初出の実例]「向後自分共吟味役取扱候様、土大炊頭殿被仰渡候間、可被得其意候」(出典：牧民金鑑‐一二・御貸附金・弘化元年（1844）正月)
4. ③ 「かんじょうぎんみやく（勘定吟味役）」の略。
   1. [初出の実例]「吟味役勤方被_二仰渡_一之留」(出典：勘契備忘記‐上・享保四年（1719）（古事類苑・官位五九）)
5. ④ 江戸時代、大坂町奉行所配下の同心の一分課。強盗、窃盗を除く他の犯罪の吟味を担当したもの。〔旧市制規‐上（古事類苑・官位七三）〕
6. ⑤ 江戸時代、松前（函館）奉行配下の吏員。奉行の指揮をうけ庶務を分掌した者。六人。百五十俵高。役料三百俵。支配吟味役。
   1. [初出の実例]「松前奉行〈略〉吟味役改役の属役有り」(出典：明良帯録（1814）後)
7. ⑥ 花札で、いちばん勝った者をいう。吟味。〔新かくし言葉辞典（1930）〕

出典　精選版 日本国語大辞典