勘定吟味役(読み)かんじょうぎんみやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

勘定吟味役
かんじょうぎんみやく

江戸幕府の職名勘定奉行に次ぐ地位勘定所役人。4人いて2人は訴訟裁判を司り,2人は代官所の租税以下,金銀出納などを勘検することを司った。天和2 (1682) 年初めておかれ,享保6 (1721) 年公事方 (→公事 ) ,勝手方に分れた。

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百科事典マイペディアの解説

勘定吟味役【かんじょうぎんみやく】

江戸幕府の役職。1682年設置。一時廃されたが,新井白石(はくせき)の建議で1712年に再置。老中(ろうじゅう)配下で,勘定奉行を助け,勘定所での貢租・出納,また勘定奉行・郡代・代官などの勤務に不正がないかを監査した。定員4〜6名。職務柄経理に明るいものが選ばれた。1731年に役高500石・役料300俵と定められた。
→関連項目新潟奉行

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世界大百科事典 第2版の解説

かんじょうぎんみやく【勘定吟味役】

江戸幕府の役職。職務内容は,勘定奉行以下の勘定所諸役人・代官を監督・統制すること。勘定奉行の意見・政策についても意見を加え,法令発布のさいには連署もした。勘定奉行に次ぐ地位であったが,老中の直接支配をうけていたためにその権限は大きかった。1682年(天和2)6月,2名を任命したのがはじまりであるが,当時は勘定頭差添役とよばれ,88年(元禄1)ごろより勘定吟味役とよばれるようになった。しかし,99年以降は,任命される者がなく,事実上廃官の状態となった。

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大辞林 第三版の解説

かんじょうぎんみやく【勘定吟味役】

江戸幕府の職名。勘定奉行に次ぐ地位に列し、勘定所の事務一切を監査し、奉行以下の行政に不正があれば老中に報告する権限があった。1682年に設置。元禄中は廃止、1712年に再び設置。勘定吟味方。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

勘定吟味役
かんじょうぎんみやく

江戸幕府の役職の一つ。勘定組頭(くみがしら)以下の職務の点検・監督にあたる。勘定奉行の政策についても意見を加え、伺書(うかがいしょ)や勘定帳に連署した。勘定所内では勘定奉行に次ぐ地位で、老中の直接支配を受けることから権限は大きく、勘定奉行以下に非違あるときは老中に開陳する特権をもつ。1682年(天和2)佐野正周(まさちか)・国領重次(こくりょうしげつぐ)の2名を任命したのが最初で、当初は勘定頭差添役(かんじょうがしらさしぞえやく)と呼ばれ、1688年(元禄元)頃より勘定吟味役と呼ばれるようになった。1699年以降空席となっていたが、1712年(正徳2)新井白石の建議により2名が任ぜられ、1722年(享保7)に公事方(くじかた)・勝手方(かってかた)に分割、公事方は訴訟の裁決の当否を判定、評定所(ひょうじょうしょ)に列する。勝手方は貢租徴収、米金の出納など勘定所事務を監査する。1867年(慶応3)廃止。定員2~4名、500石高、役料300俵。属僚に吟味方改役(あらためやく)・吟味方下役(したやく)がある。[大野瑞男]
『松平太郎著『江戸時代制度の研究』復刻版(1993・柏書房)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

かんじょう‐ぎんみやく カンヂャウ‥【勘定吟味役】

〘名〙 江戸幕府の職名の一つ。天和二年(一六八二)設置、のち一時中絶したが、正徳二年(一七一二)再置。はじめ勘定奉行差添役(さしそえやく)、勘定吟味方といわれた。老中支配に属し、金銭の出納、貢租の徴収、代官割など、勘定所役人の行なう一切の事務の監査をつかさどり、勘定奉行の発行する出支令令書にはかならず奉行と共に連署し、また奉行以下に非違があれば、老中にこれを報告した。配下に勘定吟味方改役などがいた。石高五百石、役料三百俵。〔禁令考‐前集・第二・巻一五・宝暦六年(1756)一二月〕

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