吹込む(読み)フキコム

デジタル大辞泉 「吹込む」の意味・読み・例文・類語

ふき‐こ・む【吹(き)込む】

[動マ五(四)]
風が吹いて中へ入りこむ。また、風に吹かれて、雨・雪などが中へ入りこむ。「雨が―・む」「すきま風が―・む」
吹いて中へ入れる。「風船に息を―・む」「新風を―・む」
ある精神考え方を教え込む。「片寄った思想を―・む」
レコーダーなどを用いて録音する。「テープメッセージを―・む」
[類語]吹く吹き付ける吹き上げる吹き下ろす吹き抜ける吹き荒れる吹きすさぶ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吹込む」の意味・読み・例文・類語

ふき‐こ・む【吹込】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 風が吹いてはいってくる。また、吹く風のために、雨や雪などが内にはいってくる。
    1. [初出の実例]「さくら花ぬしをわすれぬ物ならばふきこむ風に事づてはせよ〈菅原道真〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春中・五七)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 風が吹いてものを中へ入れる。また、吹いて中に入れる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「此頑鈍の心に生命を吹き込み」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉巻外)
    2. 前もって教えこんでおく。言いきかせておく。いいふくめておく。そそのかす。教唆する。
      1. [初出の実例]「耳に御口を差し寄せてふきこみ給へば打ちうなづき」(出典:浄瑠璃・十二段(1698頃)三)
    3. 遊女贈り物を送る。
      1. [初出の実例]「誓紙誓文実を見しょに、〈略〉とうから内証ふきこんだ」(出典:歌謡・松の葉(1703)二・あだ枕)
    4. レコードテープレコーダーなどに、声や歌、演奏などの音を入れる。録音する。
      1. [初出の実例]「いよいよ蝋管に声を吹込む段となって」(出典:蓄音機(1922)〈寺田寅彦〉)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 風が吹くときにものを巻きこむ。いっしょにひっくるめて吹く。
    1. [初出の実例]「あはづののをばなが下に吹こめて風に浪こす山おろしかな」(出典:広本拾玉集(1346)二)

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