吹付ける(読み)フキツケル

デジタル大辞泉 「吹付ける」の意味・読み・例文・類語

ふき‐つ・ける【吹(き)付ける】

[動カ下一][文]ふきつ・く[カ下二]
風が強く吹き当たる。「寒風が―・ける」
液体などを吹いて霧状にして付着させる。「スプレー塗料を―・ける」
勢いよく吹いて物に当てる。「風が雨を窓に―・ける」
そそのかす。たきつける。
吹いて火をたきつける。
処々刈り集めて幽かに火を―・けたれば」〈太平記一四
[類語]吹く吹き上げる吹き下ろす吹き込む吹き抜ける吹き荒れる吹きすさぶ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吹付ける」の意味・読み・例文・類語

ふき‐つ・ける【吹付・吹着】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ふきつ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 吹いて火を燃えつかせる。たきつける。
      1. [初出の実例]「埋火に松葉かきつめ吹つけてあかしぞかぬる冬の山里」(出典:出観集(1170‐75頃)冬)
    2. 吹いて物を付着させる。また、物を吹き寄せる。
      1. [初出の実例]「風のふきつくるやうに徳つきて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)七)
    3. 勢いよく吹き当てる。吹いて激しくものにあてる。
      1. [初出の実例]「ひたすらに焔ほを地にふきつけたり」(出典:方丈記(1212))
    4. さかんに吹聴する。考えなどを相手に吹きいれる。そそのかす。たきつける。
      1. [初出の実例]「とのたちへふき付てはやらし」(出典:評判記・難波鉦(1680)一)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ふきつ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 風が吹いて激しくあたる。
    1. [初出の実例]「吹(フキ)つける野風全盛も、此大臣の御威光あまねく」(出典浮世草子・魂胆色遊懐男(1712)一)

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