デジタル大辞泉 「吹返す」の意味・読み・例文・類語 ふき‐かえ・す〔‐かへす〕【吹(き)返す】 [動サ五(四)]1 風などが吹いて、物を裏返しにする。「枯れ葉を―・す」2 風が吹いてもとの所・状態に戻す。吹きもどす。「小船が岸辺に―・された」3 再び呼吸をしはじめる。蘇生する。「息を―・す」4 貨幣・金属製器具を鋳なおす。「鐘を―・す」5 風が今までと逆の方向に吹く。「―・す東風こちのかへしは身にしみき都の花のしるべと思ふに」〈後拾遺・雑五〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「吹返す」の意味・読み・例文・類語 ふき‐かえ・す‥かへす【吹返】 [ 1 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 風の向きが変わって以前と反対の方向に吹く。[初出の実例]「吹かへすこちのかへしは身にしみき都の花のしるべと思ふに〈康資王母〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)雑五・一一三四)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙① 風が吹いて、衣服の袖(そで)や裾(すそ)などを翻す。風が物を裏返す。[初出の実例]「采女の袖吹反(ふきかへす)明日香風都を遠みいたづらに吹く」(出典:万葉集(8C後)一・五一)② 風がものを逆に吹きもどす。吹いてもとにもどす。[初出の実例]「さ夜ふけてなかばたけゆく久方の月ふきかへせ秋の山風〈景式王〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四五二)③ 貨幣や金属具などを溶かして鋳直す。④ 呼吸を回復する。生き返る。蘇生する。[初出の実例]「稍ありて息ふきかへし、ありし事どもくはしくかたり」(出典:読本・手摺昔木偶(1813)一)⑤ 楽器を繰り返し吹奏する。吹奏し直す。[初出の実例]「吹かへす時に、みな同手でちとちとてがかはる」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例