味野郷(読み)あじのごう

日本歴史地名大系 「味野郷」の解説

味野郷
あじのごう

高草郡内にあった中世郷。「和名抄」にみえる高草郡味野郷を継承し、現在の下味野・朝月あさづき・上味野を中心に、その周辺部を含む地域に比定される。暦応三年(一三四〇)七月二二日の官宣旨(仁和寺文書)に郷名がみえ、「国衙別納之地」であった。同年四月一七日に京都吉田よしだ(現京都市左京区)に寄進された。この官宣旨により当郷は庄園化が認められ、国衙の介入を停止し、一国平均課役も免除された。同年一一月二四日の足利尊氏安堵状写(吉見家譜)によると、尊氏は吉見右兵衛権佐に味野郷などの所領を還付しており、鎌倉時代において当郷は吉見氏の所領であったと思われる。


味野郷
あじのごう

「和名抄」高山寺本は「阿知乃」、東急本は「安知乃」の訓を付す。延暦三年(七八四)に成立したとされる伊福部臣古志(伊福部家文書)には伊福部氏二六代の都牟自臣が「味野伊和塩古君之女小宮刀自」を娶ったとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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