和を以て貴しと為す(読み)わをもってとうとしとなす

故事成語を知る辞典 「和を以て貴しと為す」の解説

和を以て貴しと為す

人々が協調することの重要性を述べたことば。

[使用例] 和を以て貴しと為すとかいうお言葉にはじまる十七箇条の御憲法など、まことに万代不易かくやくたるおさとしで[太宰治*右大臣実朝|1943]

[由来] 「礼記―儒行」に出て来る一節から。「礼はれ和を以て貴しと為す(儀式作法では、その場の人々の心が調和することが重要だ)」とあります。似た一節は「論語がく」にも見られ、七世紀の初めの日本で聖徳太子が定めたという「十七条憲法」の第一条でも使われています。

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ことわざを知る辞典 「和を以て貴しと為す」の解説

和を以て貴しと為す

人と人とがむつまじく親しくすることを貴いものとする。

[使用例] 和を以て貴しと為すとかいうお言葉にはじまる十七箇条の御憲法など、まことに万代不易の赫奕たるおさとしで[太宰治*右大臣実朝|1943]

[解説] 一般には、「日本書紀」が伝える聖徳太子の定めた十七条憲法の第一条としてよく知られています。しかし、これに先立って「礼記―儒行」に「礼はこれ和を以て貴しと為す」、「論語―学而」には「礼は之和を用って貴しと為す」とあります。なお、儒学の「和」は、名分を守り秩序を重んじる「礼」を行うにあたって、やわらぎ睦み合うことの重要性を説いたものですが、十七条憲法の「和」は、そうした儒学の「和」の概念を超えて仏教和合の精神の大切さを説いたものとされています。

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