和倉(読み)わくら

改訂新版 世界大百科事典 「和倉」の意味・わかりやすい解説

和倉[温泉] (わくら)

石川県七尾市にある温泉。古くは涌浦(わくうら)と称した。含塩化土類食塩泉,95℃。七尾湾の西湾に突出した弁天岬の突端にあり,能登半島最大の規模をもち,海岸沿いに旅館が立ち並ぶ。薬師岳の湯谷にわいていた湯が,永承年間(1046-53)の地震で出口が閉ざされたため海中に噴出し,その後囲い湯島として舟で通っていたといわれる。1880年海岸を埋め立てて陸続きとし,湯元を中心に温泉街が作られた。1963年ボーリングによって弁天崎公園に新しい泉源が発見され,湯量が豊富になったため旅館の増設が可能になった。付近にはケイ藻土が埋蔵されており,イソライト工業地帯になっている。前面能登島のほか机島,種ヶ島などの小島の風景がよく,和倉港を基地として舟遊びや釣り,海水浴も楽しめる。弁天崎公園には高浜虚子の句碑,佐佐木信綱の歌碑があり,日和山,青林寺,御便殿(ごべんてん)などの散策適地も多い。JR七尾線和倉温泉駅からバスが通じる。
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百科事典マイペディア 「和倉」の意味・わかりやすい解説

和倉[温泉]【わくら】

石川県七尾市にある温泉。含塩化土類食塩泉。95℃。9世紀に発見,11世紀の地震で泉源が海中に移ったと伝える。江戸時代には運上銀を納め,はじめ手舟で入浴に向ったが,化政期には橋が架けられたという。七尾湾に突出した弁天崎の先端にあり,前面に能登島が浮かぶ景勝地で,釣,海水浴にも好適。七尾線和倉温泉駅からバスが通じる。
→関連項目七尾[市]能登半島国定公園

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