出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…漢方という言葉は,江戸時代に,オランダから伝えられた医学を蘭方と呼んだのに対して,従来中国より学んで日本に同化した医学の呼称として造られた。漢方薬に類似する用語に和漢薬,皇漢薬,民間薬などがあり,商業上はこれらを総括して漢方薬と呼ぶことがあるが,それぞれ,厳密には異なる内容を意味する。たとえば,ゲンノショウコ,ドクダミ等は広く日本の民間で用いられているが,使用法は漢方の場合とまったく異なるので通常,漢方薬には含めず,民間薬として区分する。…
…また医薬品として利用されるものは,成分製剤原料であるとの考え方からdrug materialという言葉もよく使われる。 生薬に関連する日本語の用語として薬用植物,薬草,漢方薬,民間薬,和漢薬などがある。薬用植物と薬草はほぼ同意義に使われるが,薬用植物中には薬木(やくぼく)も,またアメリカでは抗生物質を生産する放線菌なども含めている。…
…さらに,分離した単一物質の類似化合物を合成化学的に製造し,各種試験を経た後に医薬品とされることもある。日本では抗生物質製剤や,合成医薬品を開発し,製造する技術を有する一方,伝統的な和漢薬(生薬)が市場にあふれ,漢方的にもまた,民間薬的にも使える状況にある。また漢方製剤には合成医薬品などと同様に保険薬としての取扱いを受けるものもある。…
※「和漢薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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