和田代官所跡(読み)わだだいかんしよあと

日本歴史地名大系 「和田代官所跡」の解説

和田代官所跡
わだだいかんしよあと

[現在地名]山南町和田

享保一三年(一七二八)安房国北条藩主水野家が丹波国内領支配のために置いた代官所(「享保年号以来追加和田邑来由書」木戸家文書)鶴牧藩大概帳には東西一七間・南北三四間と記され、堀と石垣の一部が現存している。水野家は信濃国筑摩つかま郡に所領をもつ水野忠職が万治二年(一六五九)に新田五千石を弟の忠増に分与したのに始まり、天和二年(一六八二)氷上郡において二千石を加増、次いで享保一〇年にも加増を受け、安房国北条ほうじよう(現千葉県館山市)に陣屋を置き北条藩(高一万二千石)が成立した。同二〇年丹波三郡内で三千石を加増され高一万五千石となるが、文政一〇年(一八二七)に安房・上野国内の領地を上総国内に付替えられたため、椎津しいづ(現千葉県市原市)本拠を移し、以後同家の江戸藩邸の所在地である鶴巻つるまき(現東京都新宿区)にちなみ鶴牧藩と称するようになったものである(「寛政重修諸家譜」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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