唯善(読み)ゆいぜん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「唯善」の解説

唯善 ゆいぜん

1266-1317 鎌倉時代の僧。
文永3年生まれ。覚信尼の子。真言宗の京都仁和(にんな)寺にはいるが,河和田の唯円にまなび浄土真宗改宗。異父兄覚恵の招きで京都東山の大谷廟所(びょうしょ)に同居。覚恵・覚如父子と本願寺の相続をあらそって敗れ,親鸞の影像,遺骨をもって鎌倉に逃亡。のち下総(しもうさ)関宿(せきやど)(千葉県)に西光院(のち常敬(じょうきょう)寺)をひらいた。正和(しょうわ)6年2月2日死去。52歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の唯善の言及

【覚如】より

…90年(正応3)より92年にかけて,父覚恵と関東の親鸞の遺跡を巡り,以後父とともに京都大谷の親鸞廟堂に居住し,父を補佐した。1301年(正安3)ころより,父覚恵は異父弟の唯善と,大谷廟堂の留守職をめぐって争った。07年(徳治2)覚恵が没してから,覚如は唯善との抗争の矢面に立ち,09年(延慶2)青蓮院の裁許をうけ,唯善の野望を退けた。…

※「唯善」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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