唸り声(読み)ウナリゴエ

デジタル大辞泉 「唸り声」の意味・読み・例文・類語

うなり‐ごえ〔‐ごゑ〕【×唸り声】

力を入れたり、苦しかったり、感心したりしたときなどに出す低い声。獣のほえる声についてもいう。うめき声。
低く長く続く音。機械楽器などの音、虫の羽音などにいう。
謡曲浪曲浄瑠璃などを、低音でしぼるように声を出してうたったり語ったりする声。
動物相手を威嚇するときに発する声。

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精選版 日本国語大辞典 「唸り声」の意味・読み・例文・類語

うなり‐ごえ‥ごゑ【唸声・呻声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 力を入れたり、苦しんだり感心したりして思わず出す低い声。また、獣のほえる声。
    1. [初出の実例]「とどまれとまれのうなりごゑ」(出典:浄瑠璃・傾城酒呑童子(1718)一)
  3. 力を入れて長く引いたりして歌う声。謡曲、浄瑠璃、小唄、浪曲などにいう。
    1. [初出の実例]「うなり声既に平家と聞く時は きゃふをきせたる鎌倉の山〈芭蕉〉」(出典:俳諧・江戸広小路(1678))
  4. 低く鈍く鳴る音にいう。楽器、鐘、機械の音、虫の羽音など。
    1. [初出の実例]「酒の香したひて寄りくる蚊のうなり声(ゴヱ)のみ高く聞えぬ」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉六)

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