日本大百科全書(ニッポニカ) 「国内神名帳」の意味・わかりやすい解説
国内神名帳
こくないじんみょうちょう
古代、律令制(りつりょうせい)下に諸国の国司が、その管内の崇敬神社を記した公簿をいう。新任の国司が任国に到着すると管内の崇敬神社に神拝することになっており、その後、政務の引き継ぎを行った。政務のなかに、国内神社の恒例・臨時の祭祀(さいし)や奉幣があり、それに供するため国内神社の公簿がつくられた。現在18か国の国内神名帳があるが、そのほとんどが国司所用のものであったかは疑問があるといわれている。おもなものに、筑後(ちくご)国神名帳、大隅(おおすみ)国神名帳、加賀(かが)国神名帳、尾張(おわり)国神名帳、対馬(つしま)国神名帳、和泉(いずみ)国神名帳、上野(こうずけ)国神名帳、伊豆(いず)国神階帳などがある。
[落合偉洲]