国分一太郎(読み)こくぶんいちたろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国分一太郎」の意味・わかりやすい解説

国分一太郎
こくぶんいちたろう
(1911―1985)

児童文学作家、評論家山形県に生まれ、山形師範学校を卒業。教員生活中、非合法な組合運動で検挙される。第二次世界大戦後、現在の日本児童文学者協会設立(1946)、日本作文の会結成(1950)に参加する。『鉄の町の少年』(1954)、『リンゴ畑の四日間』(1956)など、民主主義的人間像確立の過程をわかりやすく読みやすい物語で描き、若い作家たちに大きな影響を与えた。また『生活綴方(つづりかた)読本』(1957)などで綴方運動にも主導的役割を果たす。

神宮輝夫

『『国分一太郎児童文学集』全6巻(1967・小峰書店)』『『国分一太郎文集』全10巻(1983~85・新評論)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国分一太郎」の解説

国分一太郎 こくぶん-いちたろう

1911-1985 昭和時代の児童文学作家,教育評論家。
明治44年3月13日生まれ。小学校教師となり生活綴方(つづりかた)運動に参加するが,昭和12年相沢ときとの共著「教室の記録」により免職となる。戦後は綴方運動の復興や民主教育運動の推進に指導的役割をはたした。昭和60年2月12日死去。73歳。山形県出身。山形師範卒。著作に「新しい綴方教室」,児童文学作品に「鉄の町の少年」「リンゴ畑の四日間」など。

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