国分一太郎(読み)コクブン イチタロウ

20世紀日本人名事典 「国分一太郎」の解説

国分 一太郎
コクブン イチタロウ

昭和期の教育評論家,児童文学者 農林水産省立農業者大学校講師;新日本文学会評議員;日本作文の会常任委員;教育科学研究会国語部会中央世話人会代表。



生年
明治44(1911)年3月13日

没年
昭和60(1985)年2月12日

出生地
山形県北村山郡東根町大字東根(現・東根市三日町)

学歴〔年〕
山形師範〔昭和5年〕卒

主な受賞名〔年〕
サンケイ児童出版文化賞(第1回)〔昭和29年〕「綴方風土記(全8巻)」,児童文学者協会児童文学賞(第5回)〔昭和30年〕「鉄の町の少年」,毎日出版文化賞〔昭和31年〕,児童福祉文化賞〔昭和36年〕,日本作文の会賞〔昭和56年〕

経歴
山形県内で小学校教諭となったが、日本教育労働者組合や生活綴方運動(北方教育運動)に参加し、地方教育運動の活動家、「つづり方教育」の推進者として知られるようになった。戦前は治安維持法違反に問われ運動も挫折するが、戦後は教育雑誌の編集に携わるかたわら、昭和26年「新しい綴方教室」を刊行し、同年“日本作文の会”結成に参加するなど、生活綴方復興運動、生活記録運動の指導的役割を果たした。一方、創作面では短編少年小説集「すこし昔のはなし」(23年)で児童文学者としての地位を固め、新日本文学会会員でもあった。主な著書に「鉄の町の少年」「りんご畑の四日間」「国語教育の現実像」「君ひとの子の師であれば」「国分一太郎文集」(全10巻 新評論)「国分一太郎児童文学集」(全6巻 小峰書店)など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

関連語 学歴

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国分一太郎」の意味・わかりやすい解説

国分一太郎
こくぶんいちたろう
(1911―1985)

児童文学作家、評論家。山形県に生まれ、山形師範学校を卒業。教員生活中、非合法な組合運動で検挙される。第二次世界大戦後、現在の日本児童文学者協会設立(1946)、日本作文の会結成(1950)に参加する。『鉄の町の少年』(1954)、『リンゴ畑の四日間』(1956)など、民主主義的人間像確立の過程をわかりやすく読みやすい物語で描き、若い作家たちに大きな影響を与えた。また『生活綴方(つづりかた)読本』(1957)などで綴方運動にも主導的役割を果たす。

神宮輝夫

『『国分一太郎児童文学集』全6巻(1967・小峰書店)』『『国分一太郎文集』全10巻(1983~85・新評論)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国分一太郎」の解説

国分一太郎 こくぶん-いちたろう

1911-1985 昭和時代の児童文学作家,教育評論家。
明治44年3月13日生まれ。小学校教師となり生活綴方(つづりかた)運動に参加するが,昭和12年相沢ときとの共著「教室の記録」により免職となる。戦後は綴方運動の復興や民主教育運動の推進に指導的役割をはたした。昭和60年2月12日死去。73歳。山形県出身。山形師範卒。著作に「新しい綴方教室」,児童文学作品に「鉄の町の少年」「リンゴ畑の四日間」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「国分一太郎」の解説

国分 一太郎 (こくぶん いちたろう)

生年月日:1911年3月13日
昭和時代の教育評論家;児童文学者
1985年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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