国民参政会(読み)こくみんさんせいかい(その他表記)Guó mín cān zhèng huì

改訂新版 世界大百科事典 「国民参政会」の意味・わかりやすい解説

国民参政会 (こくみんさんせいかい)
Guó mín cān zhèng huì

中国,日中戦争初期国民政府が召集した擬似民意機関。その目的は全国民衆の団結,思想識見の集中,国策の決定施行にあった。組織条例では,会員は各省市や文化団体,経済機関などの代表150名と定められ,少数ながら中国共産党員や民主派人士も参加していた。しかしその指名はきわめて非民主的で,役割政府の報告をきき,政府に建議,質問するだけで,監督権も執行の督励権もなかった。ことに第3期(1945)以降は完全に政府の御用機関化した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国民参政会」の意味・わかりやすい解説

国民参政会
こくみんさんせいかい
Guo-min-can-zheng-hui

1938年3月末の中国国民党臨時全国代表大会の抗戦建国綱領決議に基づいてつくられた抗日戦指導の最高諮問機関。 38年7月~47年6月,13回にわたって会議を開いたが,漢口での第1期第1次参政会には,国民党の選任による 200名が参加した。国民党員が大多数を占めたが,中国共産党からも毛沢東,秦邦憲らの代表,その他沈鈞儒ら救国会代表など,各界指導者が参加した。政府の内外重要施策の事前決議,政府に対する建議案,質問案の提出などにより,広く世論が反映され,一時全国的に新しい抗戦の機運がみなぎった。当初は国民党独裁下における最初の民意機関として歓迎されたが党上層部に対日妥協と反共気配が次第に表面化するとともに党のお手盛り機関に堕し,諮問機関としての機能を喪失。 47年7月には中国共産党籍の参政員が除名されるに及び,48年3月の国民大会開催直前に解散した。

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世界大百科事典(旧版)内の国民参政会の言及

【中華民国】より

…特区とはふつうには辺区と呼ばれているもので,国民革命軍に改編された紅軍中のもっとも有名なものが第八路軍である。38年3月の国民党臨時全国代表大会では〈抗戦建国綱領〉が制定され,戦時最高民意機関(諮問機関)としての国民参政会の創立も決定された。この会議で蔣介石は党の総裁に選ばれて確固たる権力を手中にし,また汪兆銘は38年7月に開催された国民参政会の議長となった。…

※「国民参政会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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