国立療養所(読み)こくりつりょうようじょ

精選版 日本国語大辞典 「国立療養所」の意味・読み・例文・類語

こくりつ‐りょうようじょ‥レウヤウジョ【国立療養所】

  1. 〘 名詞 〙 国が経営する医療施設。慢性病気に悩む患者長期にわたって入院収容する。平成一六年(二〇〇四)独立行政法人国立病院機構に移行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国立療養所」の意味・わかりやすい解説

国立療養所
こくりつりょうようじょ

1949年,厚生省設置法 (昭和 24年法律 151号) により設置され,厚生省組織規程 (昭和 27年 10月1日厚生省令 41号) によって定められた国立の療養所。当初は全療養所の8割以上が結核療養所であった。最近は慢性病を中心とした一般医療機関に変わるものが多く,また看護師,准看護師理学療法士,作業療法士などの養成所をもつところが多い。 1975年度より国立療養所久里浜病院がアルコール依存症,同南福岡病院が呼吸不全,同宮城病院が脳血管障害,同静岡東病院がてんかん,1978年度より同下志津病院が小児疾患の各基幹施設となった。また難病病床,重症心身障害および筋ジストロフィー病床も整備が進められ,1978年には国立武蔵療養所に神経センターが開設された。 1986年度から国立医療機関にふさわしい広域を対象に高度専門医療を担えるよう,経営移譲および統合による再編成が行なわれ,2004年には独立行政法人化により国立病院機構へと改編された。

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世界大百科事典(旧版)内の国立療養所の言及

【療養所】より

…かつて結核の比重が高かった時代にはサナトリウムの名で呼ばれたが,近年は病院と改称されるようになっている。現在,これら療養所のほとんどは国立療養所で,第2次大戦後の1945年に傷痍(しようい)軍人療養所(結核36,精神3,脊髄1,温泉10)が,さらに47年に日本医療団所属の95の結核療養所が厚生省に移管されて,現在の体系の基礎がつくられた。〈医療法〉では,日本の医療施設のうち,病床数20以上のものを〈病院〉,19以下のものを〈診療所〉とし,療養所についての規定はないが,国立療養所については,49年に公布された〈厚生省設置法〉に,〈特殊の療養を要する者に対して医療を行い,あわせて医療の向上に寄与する〉施設として規定されている。…

※「国立療養所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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