圧縮成形(読み)あっしゅくせいけい(その他表記)compression molding

日本大百科全書(ニッポニカ) 「圧縮成形」の意味・わかりやすい解説

圧縮成形
あっしゅくせいけい
compression molding

プラスチック類のもっとも一般的な成形法で、成形材料を金型の凹所(キャビティ)に入れ、圧力と熱を加えて成形する方法。主として熱硬化性樹脂に適用されている。圧縮成形は、自動または手動プレスで行う。加熱する温度は140~180℃、油圧は1平方センチメートル当り100~200キログラムぐらいである。熱硬化性のフェノール樹脂メラミン樹脂などの場合、加熱硬化の際に水などを発生して成形品の表面に膨れを生ずる原因となるので、成形の初期に金型を短時間開いて、圧力を下げてガス抜きをする。粉末材料を用いることもあるが、実際は成形能率をあげるために、粉末を錠剤に予備成形したり、金型の予熱冷却装置を取り付けている。なお、圧縮成形をさらに自動化したものにトランスファー成形がある。

垣内 弘]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「圧縮成形」の解説

圧縮成形
アッシュクセイケイ
compression molding

オス-メス型からなる金型に成形材料を入れ,加熱,加圧して成形するもっとも古い成形法の一つ.たとえば,熱硬化性樹脂(フェノールユリアエポキシなど)に硬化剤,離型剤,顔料などを添加し,混練,混合,加熱,圧縮して成形加工する.この方法は,簡便で安価に製品を製造できるが,寸法精度が悪く,ばり(オス-メス金型間にできる突起)が発生しやすい欠点がある.この欠点を改善したものにトランスファー成形がある.このほかに,紙や布(ガラス繊維,カーボン繊維など)などに,液状の熱硬化性樹脂(エポキシ,フェノール樹脂など)を含浸させたシート状材料(プリプレグ)を加熱・圧縮して強化プラスチック材料(繊維強化プラスチックFRPなど)を成形加工する方法や,樹脂をしみ込ませた紙,布を重ねて加熱・加圧して積層板やラミネートフィルムを製造する積層成形法などもある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「圧縮成形」の解説

圧縮成形

 圧力と熱によってプラスチックを成形すること.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「圧縮成形」の意味・わかりやすい解説

圧縮成形
あっしゅくせいけい

「プラスチック成形」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の圧縮成形の言及

【プラスチック成形加工】より

…代表的な成形法,成形機について次に説明するが,フィルム成形法は〈プラスチックフィルム〉の項を参照されたい。(1)圧縮成形compression molding 熱硬化性樹脂に応用される。粉末樹脂,その他添加剤を配合し,加熱金型に入れる。…

※「圧縮成形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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