日本大百科全書(ニッポニカ) 「圧縮成形」の意味・わかりやすい解説
圧縮成形
あっしゅくせいけい
compression molding
プラスチック類のもっとも一般的な成形法で、成形材料を金型の凹所(キャビティ)に入れ、圧力と熱を加えて成形する方法。主として熱硬化性樹脂に適用されている。圧縮成形は、自動または手動のプレスで行う。加熱する温度は140~180℃、油圧は1平方センチメートル当り100~200キログラムぐらいである。熱硬化性のフェノール樹脂やメラミン樹脂などの場合、加熱硬化の際に水などを発生して成形品の表面に膨れを生ずる原因となるので、成形の初期に金型を短時間開いて、圧力を下げてガス抜きをする。粉末材料を用いることもあるが、実際は成形能率をあげるために、粉末を錠剤に予備成形したり、金型の予熱や冷却装置を取り付けている。なお、圧縮成形をさらに自動化したものにトランスファー成形がある。
[垣内 弘]