地熱資源の調査や開発の目的で掘られた坑井(こうせい)の総称。大別して構造試錐井(しすいせい)、調査井、生産井、還元井に分けられる。構造試錐井は調査の初期の段階に掘削される坑井で、地下温度や地質構造や地熱貯留層の存否を知るためのもので、深さは1000メートル以内で小口径のものが多い。多くの場合コアが採取され、岩石の種類や物性や変質状況が調べられる。調査井は生産井の位置、深度を決定するため、地表調査や構造試錐井から得られた資料に基づき、地質構造と貯留層の関係を確認するためのもので、実際に地熱流体を噴出させて噴出量や地熱流体の組成について試験が行われる。
坑井としては小口径から大口径まで種々あるが、噴出量が多いときには生産井に転用されることもある。生産井は地熱流体を採取する目的で掘られるもので、貯留層の深さに応じて1000メートルに満たないものから2000、3000メートルのものまである。坑井は地表から段階的にしだいに径を細くして掘り進むから、坑底での太さを10数センチメートル以上にするためには、口元の直径は30~40センチメートル以上にもなる。採取層では裸孔仕上げまたは孔明管(こうめいかん)が挿入され、それ以外は盲管(めくらかん)が挿入される。地上部には主弁はじめ各種の坑口装置がつけられる。還元井は、調査井や生産井から噴出した地熱流体のうち不用な熱水を地下へ還元するための坑井で、深度は普通生産井よりも浅い。
地熱井の掘削には、地層が硬い場合が多く、しかも高温高圧の流体を含むために、独特な技術を必要とする。
[湯原浩三]
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