日本歴史地名大系 「地誌提要」の解説
地誌提要
ちしていよう
八冊 開拓使編
成立 明治七年(推定)
解説 明治五年以降、太政官正院地誌課が進めた「皇国地誌」編纂事業の一環として作成された北海道の地誌稿本。「皇国地誌」は未完成に終わったが、北海道関係の資料はその大部分が現在道立文書館にある。「地誌提要」の名称をもつ関連簿書に「地誌提要 原稿」八冊、「地誌提要 草稿」一〇冊、「北海道地誌提要 札幌本庁之部」一冊、「地誌提要北海道」一冊、「北海道地誌提要一覧表草」一冊がある。印刷物に「北海道地誌要領」(明治七年序、開拓使刊行。附録樺太)がある。これらは改訂されて「皇国地誌」事業の一成果「日本地誌提要」(明治七―一二年刊)のなかに生かされた。「地誌提要」八冊は「地誌提要 草稿」の補正稿と推定され、「地誌提要」の定本といえよう。地誌編纂は政府の指示によるが、開拓使にとっても事業遂行上の重要案件であった。
構成 (一)大綱、(ニ)疆域・郡村、(三)戸数、(四)人口、(五)歳額、(六)産物、(七)学校・駅路・港湾・島嶼・岬角・海峡・暗礁・灯台・名山・大川・池沼・瀑布・温泉、(八)神社・寺院・牛・馬・船の各冊ごとに郡を単位として各項目に分けて記述。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報