最新 地学事典 「地震地すべり」の解説
じしんじすべり
地震地すべり
earthquake-induced landslide
地震を誘因として発生する地すべり。地震動によって斜面下方へ付加される慣性力の作用や過剰間隙水圧の上昇によるすべり面強度の低下が斜面を不安定化させる。一度不安定化した斜面は,高速で長距離移動する場合も多く,甚大な被害につながるため,防災上注視すべき地学現象の一つ。1984年長野県西部地震での御岳崩れ,1995年兵庫県南部地震で発生した仁川地すべり,2004年新潟県中越地震,2007年能登半島地震,2007年新潟県中越沖地震,2008年岩手宮城内陸地震などの内陸直下型地震では,震源に近い中山間地で多数の地震地すべりが発生した。2011年東北地方太平洋沖地震で発生した福島県白河市の地すべりをはじめ,2016年熊本地震や2018年北海道胆振東部地震では,火山灰質土斜面での地すべりが多発し,地震によるテフラ層すべりに関する認識が広がっている。
執筆者:柴崎 達也
参照項目:荒砥沢地すべり
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

