垂迹画(読み)スイジャクガ

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精選版 日本国語大辞典 「垂迹画」の意味・読み・例文・類語

すいじゃく‐が‥グヮ【垂迹画】

  1. 〘 名詞 〙 本地垂迹説に基づく絵画。神社神域を景観的に描いて、本地仏を配した垂迹曼荼羅が多く、春日曼荼羅山王曼荼羅熊野曼荼羅などがある。また、熊野の那智滝や、春日の鹿を神格にみたてて描いたもの、日本の神像に本地仏の種子を配したものなど、主題内容は多岐にわたる。鎌倉以降に多く制作された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の垂迹画の言及

【仏画】より

…このほか師資相承の伝授のためや,図像収集の目的から,素描風の墨画による白描図像も多く遺存する(密教美術)。一方,密教の本地垂迹説による垂迹画として,〈春日曼荼羅〉〈山王曼荼羅〉〈熊野曼荼羅〉などの垂迹曼荼羅が,鎌倉時代から室町時代にかけて盛行した(垂迹美術)。(5)仏教人物画 仏画には仏像のほかに,釈迦十大弟子や羅漢画(十六羅漢図など),諸宗の祖師像や高僧像(《真言八祖像》《天台高僧像》など)などの仏教人物画がある。…

※「垂迹画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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