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春日曼荼羅 かすがまんだら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春日曼荼羅
かすがまんだら

奈良,春日大社の神霊を図示したもの。本地仏曼荼羅垂迹曼荼羅宮曼荼羅春日浄土曼荼羅鹿曼荼羅春日明神影向図などがある。本地仏曼荼羅は春日明神の四所または若宮などの本地仏の姿を,密教の曼荼羅式に表わしたもの。垂迹曼荼羅は権現の姿を表現したもので影向図もその一種。宮曼荼羅は春日大社の社殿,参道,鳥居,春日山などを俯瞰的に描いたもの。鹿曼荼羅は榊 (さかき) を掛けた神鏡を背負った神鹿を絵にしたもの。春日浄土曼荼羅は春日山を補陀落山浄土とみなす信仰によるもので,宮曼荼羅と本地仏曼荼羅を組合せたもの。これらは,平安時代末期以降盛んに制作され,根津美術館蔵の『春日宮曼荼羅図』などの遺品がある。

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デジタル大辞泉の解説

かすが‐まんだら【春××荼羅】

春日神社の信仰のため、その祭神・境内などを図にした曼荼羅。宮曼荼羅・社寺曼荼羅・鹿曼荼羅などがある。鎌倉・室町時代に流行。

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百科事典マイペディアの解説

春日曼荼羅【かすがまんだら】

春日大社の祭神,神域を曼荼羅風に描いた垂迹(すいじゃく)美術の一種。神社の境域を鳥瞰(ちょうかん)図風に描き,祭神や本地(ほんじ)仏の像またはその象徴である種子(しゅじ)を描き添えた宮曼荼羅,本地仏を中心とし,背景に春日大社の景観を描いた尊像曼荼羅(本地仏曼荼羅),春日信仰の象徴であるシカを中央に描き,背にサカキを立てたりサカキに鏡を掛けたりした鹿曼荼羅の3種に大別される。
→関連項目宮曼荼羅

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世界大百科事典 第2版の解説

かすがまんだら【春日曼荼羅】

奈良春日大社神体山である御蓋(みかさ)山を背景に社殿や祭神などを描いた垂迹(すいじやく)画。平安時代末期から中世にかけて多く制作され,礼拝された。奈良時代以来,藤原氏一門は氏神の春日社と氏寺興福寺に深い信仰を寄せていたが,平安中期ころから本地垂迹思想によって,両者はしだいに接近し,平安末期にいたり習合した神仏を具体的に表現した造形作品が制作されるようになった。その図様は種類が多いが,大別するとつぎの3種になる。

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大辞林 第三版の解説

かすがまんだら【春日曼荼羅】

春日信仰に基づく曼荼羅。春日の本地仏を表した本地曼荼羅のほか、神鹿が神鏡をかけた榊さかきを負う図柄の鹿曼荼羅、春日神社を鳥瞰ちようかん的に描いた宮曼荼羅など各種ある。鎌倉・室町時代に流行した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

春日曼荼羅
かすがまんだら

神道美術(垂迹(すいじゃく)美術)の絵画を代表する曼荼羅。鎌倉から室町時代にかけての遺品が多く、次の2種を総称する。(1)春日宮(みや)曼荼羅 春日大社境内の風景と祭神4社と若宮の5体の本地仏(ほんじぶつ)(釈迦(しゃか)、薬師、十一面、文殊(もんじゅ)、地蔵(じぞう))を描く。(2)春日社寺曼荼羅 画面の上半に春日大社の状景、下半は興福寺の堂塔伽藍(がらん)を描く。興福寺曼荼羅ともいう。また、春日鹿(しか)曼荼羅は、春日大社の影向(ようごう)にしたがって5仏を描いた神鏡をサカキにかけて、神鹿(しんろく)が鏡を負うように表現している。作例として静嘉堂(せいかどう)、京都国立博物館、陽明文庫の各本がある。さらに春日曼荼羅と浄土変相図を組み合わせた春日浄土曼荼羅も、のちに展開した。ただし春日四社の本地(ほんじ)のあて方には諸説がある。[真鍋俊照]

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世界大百科事典内の春日曼荼羅の言及

【垂迹美術】より

…広義の神道美術,仏教美術の一分野といえ,造形的にも思想的にも,きわめて日本的な特徴をもつ作品が多く,平安時代末期から中世にわたって制作された。代表的な作品は垂迹曼荼羅で,春日曼荼羅山王曼荼羅熊野曼荼羅,石清水曼荼羅などがある。それぞれにさまざまな変化があるが,基本形は,本地仏を密教の曼荼羅のように配した本地曼荼羅と,社殿,社景を浄土のように描いた宮曼荼羅の2形式である。…

※「春日曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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