日本歴史地名大系 「那智滝」の解説
那智滝
なちのたき
那智川上流の那智山中にある滝。山中には
那智大滝(一の滝。単に那智滝という場合は、大滝をさすことが多い)は那智山大鳥居をくぐり、杉木立の茂る石段を下った鳥居前方にその全貌がみえる。高さ一三三メートル、幅一三メートル、滝壺の深さは一〇メートルに及ぶ。滝の頂上、
那智滝への信仰は古くからあったようで、那智山の信仰は滝が神聖視されたことに始まるともいわれている。一説に奥之院といわれる妙法山に登るための禊を行う場であったという。滝修行は那智籠山修行として行われ、すでに延喜七年(九〇七)には浄蔵の滝修行がみえ(扶桑略記)、そのほか仲山・林懐・花山法皇などの名もみえている(「元亨釈書」「扶桑略記」など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報