本地仏(読み)ホンジブツ

精選版 日本国語大辞典 「本地仏」の意味・読み・例文・類語

ほんじ‐ぶつホンヂ‥【本地仏】

  1. 〘 名詞 〙 神の本地である仏・菩薩。また、その像。
    1. [初出の実例]「本地堂 其神社本地仏菩薩の像を安置す」(出典:神道名目類聚抄(1699)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「本地仏」の意味・わかりやすい解説

本地仏 (ほんじぶつ)

この世の神々は,人間を救済し済度しようとする仏や菩薩がいろいろな姿であらわれた化身,すなわち垂迹(すいじやく)身であるとし,その根本である仏・菩薩のことを本地仏という。これは仏教が日本に渡来してから起こった思想で,仏も神も淵源をたずねるとみな同体であるという考え,すなわち本地垂迹説である。そこで神に菩薩号を名付けたり,神体に代わって仏像を祀ったり,また神像僧形であらわしたりするようになった。その流行は平安時代初期からはじまる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「本地仏」の解説

本地仏
ほんじぶつ

この世にかり(権)に姿を現した神々の根本である仏・菩薩などのこと。神仏習合進展なかで,仏教側が日本の神々を位置づけた理論である本地垂迹(すいじゃく)思想にもとづく。日本の神々などは,仏・菩薩が衆生(しゅじょう)救済のため機根(きこん)に応じて姿を変えて現れた化身(けしん)(垂迹神)であるとされ,その際の仏・菩薩を本地仏という。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む