① 平安時代、平安京の南方、現在の京都市伏見区下鳥羽のあたりにあった城南寺の祭礼。城南寺明神御霊会(ごりょうえ)ともいった。この地に鳥羽殿が営まれて、祭は盛大となり、神輿、神馬、風流(ふりゅう)などの行列が行なわれ、競馬(くらべうま)が催された。寺は鳥羽殿とともに荒廃したらしいが、祭は、上鳥羽、下鳥羽、竹田の産土神(うぶすながみ)である真幡寸(まはたき)神社(現在の城南宮)の城南神祭として受け継がれた。城南祭。《 季語・秋 》
[初出の実例]「鳥羽城南寺祭也。有御幸卯刻参」(出典:吏部王記‐八・延長三年(925)八月六日)
② ( ①では餠をついて、客に強いて食べさせる習慣があるところから ) 近世、腹のふくれることをたわむれていう。満腹。〔出来斎京土産(1677)〕