報徳会(読み)ほうとくかい

改訂新版 世界大百科事典 「報徳会」の意味・わかりやすい解説

報徳会 (ほうとくかい)

岡田良平一木喜徳郎など文部内務官僚主導のもとに,留岡幸助などの社会事業家,早川千吉郎などの資本家の参加によってつくられた半官半民の教化団体。1905年に結成され,12年に中央報徳会と改称した。報徳主義を指導精神とし,〈勤倹力行〉〈分度推譲〉(分度は二宮尊徳の創始した仕法上の用語で分限度合の意)などの諸徳目を道徳と経済の調和というスローガンに組み入れて,資本主義の発展によって動揺した農村共同体秩序を再編するための地方改良運動の推進母体となった。斯民会を行政単位につくり,地方における実践団体とした。青年会の組織化と町村会の育成にも力を注ぎ,1916年に中央報徳会青年部をつくり,大日本連合青年団と財団法人日本青年会を設立,21年には全国町村会を結成した。会誌に《斯民》(1906創刊),《家庭斯民》(1910創刊)がある。
報徳社
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android