墨渓(読み)ぼっけい

朝日日本歴史人物事典 「墨渓」の解説

墨渓

没年:文明5(1473)
生年:生年不詳
室町中期の禅僧,画家曾我派始祖とされる。横川景三の『補庵京華続集』によれば名は安栄,字は桃林という。諱は采誉,酔墨斎と号し,通称は兵部。希世霊彦の『村庵小稿』には周文に師事し,周文の肖像画を描いたとある。大徳寺と関係が深く,一休宗純のもとに参禅した。自賛「一休和尚像」(1452,少林寺蔵),「一休和尚像」(1453,梅沢記念館蔵),一休賛「達磨像」(真珠庵蔵)などの作品がある。一休の肖像画中もっとも著名な東京国立博物館本は,従来墨渓より後年の墨斎の筆といわれてきたが,近年墨渓説が唱えられている。<参考文献>『日本美術絵画全集』3巻

(山下裕二)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「墨渓」の解説

墨渓 ぼっけい

?-1473 室町時代画僧
越前(えちぜん)(福井県)の人。朝倉氏庇護うけたが,のち京都におもむき,周文の弟子となる。親交のあった一休宗純より墨渓の号をうけ,曾我(そが)派の創始者とされる。文明5年死去。法名は安栄,采誉。通称は兵部。別号に桃林,酔墨斎。作品に「一休自賛像」「一休賛達磨(だるま)図」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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