朝日日本歴史人物事典 「墨渓」の解説
墨渓
生年:生年不詳
室町中期の禅僧,画家。曾我派の始祖とされる。横川景三の『補庵京華続集』によれば名は安栄,字は桃林という。諱は采誉,酔墨斎と号し,通称は兵部。希世霊彦の『村庵小稿』には周文に師事し,周文の肖像画を描いたとある。大徳寺と関係が深く,一休宗純のもとに参禅した。自賛「一休和尚像」(1452,少林寺蔵),「一休和尚像」(1453,梅沢記念館蔵),一休賛「達磨像」(真珠庵蔵)などの作品がある。一休の肖像画中もっとも著名な東京国立博物館本は,従来墨渓より後年の墨斎の筆といわれてきたが,近年墨渓説が唱えられている。<参考文献>『日本美術絵画全集』3巻
(山下裕二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報