壁装材(読み)へきそうざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「壁装材」の意味・わかりやすい解説

壁装材
へきそうざい

壁面に使われる装飾的仕上げ材料の総称。その大部分壁紙で、また歴史も古いため、従来は壁紙と同じ意味に用いられていたが、最近インテリアへの関心の高まりとともに、壁紙のほかにタイルれんが、石、プラスチック木質材料、金属板、ガラス加工品など多様なものが使われるようになったため、より広義な用語として壁装材が使われるようになった。インテリアの仕上げ効果を左右するエレメントとして、家具、テキスタイル照明器具、窓周り品とともにもっとも重要な役割を担っている。壁面の仕上がりのよしあしは下地材によって左右されるところが大きいので、それぞれの仕上げ材料にあった下地づくりをすることがたいせつである。とくに防火壁装については、建築基準法によって内装制限が設けられているので、それに適合するように施工しなければならない。

 なお壁紙について付記すれば、現在日本でもっとも多く使われているのはビニル系のもので、普通にクロスとよんでいるのはそれである。ビニル系の壁紙はさまざまなテクスチュアの表現が容易で、豪華にみえ、しかも安価であるため急速に普及した。透湿性がないため調湿効果に欠けるが、最近では透湿能力をもつものも市販されるようになってきた。ヨーロッパでは歴史的に紙や布の壁紙を使ってきているため、現在でもその使用比率が高く、高級な製品も多い。

[小原二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

リフォーム用語集 「壁装材」の解説

壁装材

ビニル壁紙、織物壁紙、紙壁紙、無機質壁紙などがあり、主に建物の壁・天井などの仕上材として下地基材の表面に貼りつけられる。壁紙の品質規定にはISM(イズム)規定や、ドイツのRAL(ラル)マーク基準、エコマーク、SV規格(国内壁紙メーカーを主としたSV協議会の壁紙安全自主規格)などがある。→ISM規定RAL基準、エコマーク

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