外面如菩薩内心如夜叉(読み)げめんにょぼさつないしんにょやしゃ

精選版 日本国語大辞典 「外面如菩薩内心如夜叉」の意味・読み・例文・類語

げめん【外面】=如菩薩(にょぼさつ)[=似菩薩(じぼさつ)]内心如夜叉(ないしんにょやしゃ)

容貌菩薩のように美しく柔和であるが、その心は夜叉のように残忍邪悪であるの意。仏教で、女性を出家修行のさまたげになるものとしていましめたことば外面は菩薩の如く内心は夜叉の如し。
※康頼宝物集(1179頃)下「所有三千界、男子諸煩悩、合集為一人、女人之業障、女人地獄使、能断仏種子、外面似菩薩、内心如夜叉、是は華厳経の文也」
[補注]出典について「成唯識論」「大智度論」「華厳経」「大宝積経」「涅槃経」などとするいろいろの説があるが不明。おそらく平安時代末頃日本で作られた語と思われる。

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ことわざを知る辞典 「外面如菩薩内心如夜叉」の解説

外面如菩薩内心如夜叉

外面は菩薩のように美しく柔和に見えるが、心の中は夜叉のように残忍邪悪である。

[使用例] 外面如菩薩内心如夜叉などいう文句は耳にたこの出来るほど聞かされまして、なんでも若い女と見たら鬼かじゃのように思うがよい[国木田独歩女難|1903]

[解説] 仏教で、修行中の者に女性はこのようなものであると説いて戒めとしました。「夜叉」は、容貌・姿が醜怪猛悪鬼神のこと。

〔異形〕外面さつ内心如夜叉

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