普及版 字通 「夙(漢字)」の読み・字形・画数・意味
夙
6画
[字訓] つとに・はやい
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
正篆の字形はに作り、夕+(けき)。夕を奉ずる形。夕は卜文では月の形に作り、金文では肉の形かともみえる。卜文の字形によれば、月を拝する象とみられ、早朝の残月を拝する意であろう。〔説文〕七上に「早なり。に從ふ。事を持して、夕と雖も休まず、早なるなり」とあって、は夙の初文。古文の二形は宿の初文とみられ、人が席(てんせき)(しきもの)を用いる形で、夙とは別の字であろう。
[訓義]
1. つとめて、あさはやく、月を拝する儀礼。
2. つとに、はやい。
3. 宿と通じ、宿昔の意。むかし、むかしから。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕夙 飄(へうやう)、豆牟志加世(つむじかぜ)、、阿志太(あした)〔名義抄〕夙 アシタ・ハヤシ・ハヤク・ツトニ・トシ・ハゲシ・ヒル・ツトメテ・オドロク・スミヤカニ・ツムジカゼ 〔字鏡集〕夙 ハヤシ・アシタ・ウヤマフ・スミヤカ・ツト・ハゲシ・オドロク・ツトメテ・ツトニ・トシ・ヒル
[語系]
夙suk、早tzuは声義に通ずるところがある。夙は夙早の儀礼を示す字。早は是(スプーン)の上部の形。蚤tzuも同声で、かゆいところを爪でかく形。早・蚤を夙の義に用いるのは、声の仮借である。
[熟語]
夙愛▶・夙意▶・夙縁▶・夙怨▶・夙駕▶・夙懐▶・夙願▶・夙起▶・夙契▶・夙慧▶・夙▶・夙見▶・夙孤▶・夙悟▶・夙興▶・夙好▶・夙志▶・夙疾▶・夙儒▶・夙就▶・夙宵▶・夙心▶・夙成▶・夙世▶・夙生▶・夙昔▶・夙素▶・夙賊▶・夙退▶・夙達▶・夙智▶・夙知▶・夙衷▶・夙敏▶・夙分▶・夙暮▶・夙茂▶・夙夜▶・夙齢▶
[下接語]
昏夙・載夙・震夙
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報