夜間中学校(読み)やかんちゅうがっこう

知恵蔵の解説

夜間中学校

学齢(満15歳)を超えた義務教育未修了者に中学校教育を行うため夜間に開設される学級の通称で、正式には中学校夜間学級学校教育法第1条に定める学校(いわゆる1条学校)ではない。第2次大戦後、経済的理由で義務教育を修了できなかった者を対象として、1947年に大阪市立生野第二中学校で「夕間学級」の名で始められた。「夜間学級」の名称では、49年に神戸市立駒ケ林中学校に開設された学級が最初。これは開設1年後に市教委によって不就学対策学級として認可されたが、文部省は、学校教育法に認められていない、労働基準法違反に通じる、保護者の就学義務不履行を助長するなどの理由で消極的であったが、近年は、中国や韓国などから帰国した子どもの日本語教育、中卒以上を要件とする理容師調理師などの資格取得を可能にするため、不登校児童生徒の増加などの状況に照らし、行政の姿勢も弾力化している。54年には87学級、生徒数4350人に上った。その後、21学級、416人にまで減少したが、上記の理由により再び増え始め、2001年現在、35学級、3125人になっている。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

夜間中学校

公立中学校の夜間学級。戦後の混乱期に、昼間に働き学校に通えない子どものために開設され、1950年代半ばのピーク時には全国で約90校あったとされる。 働く子どもの減少に伴って減り、今は千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫奈良、広島の8都府県に31校あり、在籍者数は2014年5月時点で約1850人。主に中学を卒業できなかった高齢者外国人が学んでいる。

(2015-12-07 朝日新聞 朝刊 1社会)

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百科事典マイペディアの解説

夜間中学校【やかんちゅうがっこう】

昼間就学できない学齢生徒に対し,夜間に特別に授業を行う学級をもつ中学校。第2次大戦後の学制改革に伴い,日本の学校制度内部に変則的に生じた教育形態で,1947年大阪に初めて出現。東京では1951年に足立区に誕生したのが初。1970年代以降,学齢期に学ぶ機会をもてなかった在日朝鮮・韓国人や外国人労働者などの在籍がふえ,2013年現在公立校に並設された夜間中学は35校。首都圏と関西に集中している。またこうした公立の夜間中学とは別に,ボランティアが運営する自主夜間中学が全国に26ある。戦前,大正時代から中学校に夜間部を置くところがあったが,これとは別。
→関連項目全日制

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