朝日日本歴史人物事典 「大串竜太郎」の解説
大串竜太郎
生年:弘化2.3.18(1845.4.24)
幕末明治期の阿波藍商。阿波国(徳島県)板野郡五条村の藍商大串歓次郎の次男。同郡西条村の大串家を継ぐ。同家は防長,伊予に売場を持つ藍商を家業とし,それに従事。のち西条村組頭庄屋,高知県御用係等を勤め,明治12(1879)年高知県会議員となり徳島県の高知県からの分県運動に貢献,翌年徳島県会議員,のち県会議長を歴任し,吉野川改修事業等に尽力した。他方実業家としては,15年旧徳島藩家老賀島政範らとはかり徳島銀行を創立して頭取となったのち,27年には徳島電燈株式会社,30年には徳島鉄道株式会社を設立,大正期に入ると徳島倉庫や徳島貯蓄銀行の創設に尽力し,それぞれの社長,頭取となった。<参考文献>大串文雄『故大串竜太郎小伝』,渡辺茂雄『四国開発の先覚者とその偉業 第4集』
(天野雅敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報