大仙院書院庭園(読み)だいせんいんしょいんていえん

国指定史跡ガイド 「大仙院書院庭園」の解説

だいせんいんしょいんていえん【大仙院書院庭園】


京都府京都市北区紫野大徳寺町にある庭園。北大路通りに面する大徳寺の北派本庵の大仙院は、1510年(永正6)、応仁の乱後に大徳寺住職の古岳宗亘(こがくそうこう)(大聖(だいしょう)国師)が開基した、大徳寺塔頭(たっちゅう)のなかでも由緒ある寺で、大聖国師の作庭による室町時代の代表的な枯山水庭園がある。書院の前のせまい地域に多数の岩石を配置し、水を砂で表現した庭園は、鶴島と亀島の間に蓬莱山(ほうらいさん)があって滝が流れ落ち、石橋の下をくぐって透渡殿(すきわたどの)(渡り廊下)の下を流れる水が、一度堰(せき)に落ちて大河となる。そして石の宝船が浮かび、小亀の泳ぐ景色を見やりながら方丈南側の大海にいたり、同じ蓬莱山の滝の水が亀島の前を通って西行すると方丈北の中海にいたるという趣向である。大仙院3世古渓(こけい)和尚は千利休の首を賀茂の河原から持ち帰ったことで、7世沢庵(たくあん)和尚は宮本武蔵との関係で有名である。また、利休を中心とする茶人の系譜は大仙院歴代と密接な関係があり、とりわけ利休と大仙院との関係は数々の逸話によって語り継がれている。1924年(大正13)に国の史跡・名勝に指定され、1952年(昭和27)に特別名勝の追加指定を受けた。JR東海道新幹線ほか京都駅から市バス「大徳寺前」下車徒歩約8分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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