精選版 日本国語大辞典 「大刀契」の意味・読み・例文・類語 だいと‐けい【大刀契】 〘 名詞 〙 古代、三種の神器に次ぐ重宝として、天皇の践祚(せんそ)の時授受し、また、行幸の際にも従え持った大刀と契。大刀は百済から貢納されたと伝える霊剣二柄と節刀数十柄をいい、すべて長さ二~三尺(約六〇~九〇センチメートル)。契は、兵を発する時の割符で、魚形に造ったもので、長さは約二寸(約六センチメートル)。この大刀と契は共に同一唐櫃に納められていたので、大刀契と連称されたが、天徳四年(九六〇)、寛弘二年(一〇〇五)、寛治八年(一〇九四)等の内裏焼亡によってその大部分がなくなり、さらに元弘(一三三一‐三三)・建武(一三三三‐三八)の騒乱を経て次第に紛失したという。[初出の実例]「内侍司避二温明殿一、遷二後涼殿一〈略〉又細樻等五合〈大刀契樻在二此中一〈略〉〉」(出典:本朝世紀‐天慶元年(938)七月一三日) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例