大名題(読み)オオナダイ

デジタル大辞泉 「大名題」の意味・読み・例文・類語

おお‐なだい〔おほ‐〕【大名題】

江戸時代歌舞伎で、1日の狂言全体に通じる題名。また、その題名を記して、劇場正面に立てる大きな看板。→小名題
歌舞伎俳優のうち、大幹部のこと。幹部俳優。

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精選版 日本国語大辞典 「大名題」の意味・読み・例文・類語

おお‐なだいおほ‥【大名題・大名代】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代の歌舞伎で、一日を通しての狂言の題名。→小名題
    1. [初出の実例]「彼げいしゃなる者二人、台上に立て時々の狂言、大名題・小名題・役割等をかけ合によみ上る也」(出典:戯場訓蒙図彙(1803)二)
  3. おおなだいかんばん(大名題看板)」の略。
    1. [初出の実例]「大名題(オホナデヘ)の上に鶴が銀杏を咥て居る」(出典滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)上)
  4. 歌舞伎俳優のうち、大幹部の称。幹部俳優。
    1. [初出の実例]「中村座に五代目団十郎、二代目八百蔵、初代秀鶴等の大名代(オホナダイ)を揃へて」(出典:江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七)
  5. 相手が驚くようなおおげさな事柄
    1. [初出の実例]「相手をあまく見れば、大名題ばかりをならべおどしかけ」(出典:滑稽本・和合人(1823‐44)二)

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世界大百科事典(旧版)内の大名題の言及

【名題】より

…名題の上に添えて内容を示唆する短い対句を〈角書〉,また,看板や番付で,名題の上に,作品の概要を美文調で記したものを〈語り〉と呼ぶ。名題には,作品の趣旨を表す〈大(おお)名題〉,各幕に付ける〈小(こ)名題〉,劇中,出語りで演奏される浄瑠璃などのための〈浄瑠璃名題〉,所作事のための〈所作名題〉,二番目狂言に付ける〈二番目名題〉の別がある。(2)名題看板の略。…

※「大名題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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