興国(読み)コウコク

精選版 日本国語大辞典 「興国」の意味・読み・例文・類語

こう‐こく【興国】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 国の勢いをさかんにすること。また、勢いの盛んな国。
      1. [初出の実例]「其希臘教を以て、興国の要件となせし意中は」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四)
      2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公四年〕
    2. 新しく国家を建設すること。建国。
      1. [初出の実例]「興国(コウコク)以来百王起り」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二二)
  2. [ 2 ] 南北朝時代、南朝の後村上天皇の代の年号。北朝の光明天皇の代の暦応三年から貞和二年の間にあたる。延元五年(一三四〇)四月二八日改元。興国七年(一三四六)一二月八日に正平(しょうへい)と改元。

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日本の元号がわかる事典 「興国」の解説

こうこく【興国】

日本の元号(年号)。室町時代(南北朝時代)の1340年から1346年まで、後村上(ごむらかみ)天皇の代の南朝が使用した元号。前元号は延元(えんげん)。次元号は正平(しょうへい)。1340年(延元5)4月28日改元。後村上天皇の即位にともない行われた(代始改元)。『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』を出典とする命名。興国年間の北朝の天皇は光明(こうみょう)天皇。北朝は、「暦応(りゃくおう)」(1338~1342年)、「康永(こうえい)」(1342~1345年)、「貞和(じょうわ)」(1345~1350年)の元号を使用した。室町幕府将軍は足利尊氏(たかうじ)(初代)。

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普及版 字通 「興国」の読み・字形・画数・意味

【興国】こうこく

国をおこす。〔左伝、昭四年〕冀(き)の北土は馬の生ずるなれども、興國無し。險と馬とを恃むことの、以て固しと爲すべからざること、古よりして以(すで)に然り。

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