大文・大紋(読み)だいもん

精選版 日本国語大辞典 「大文・大紋」の意味・読み・例文・類語

だい‐もん【大文・大紋】

〘名〙
※宇津保(970‐999頃)楼上下「みすのもかうには、大もんのにしきをせさせ給」
平家(13C前)二「小松殿烏帽子直衣に、大文(ダイモン)(高良本ルビ)の指貫そばとって」 〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 布製の直衣(ひたたれ)一種菊綴(きくとじ)の下に家紋を大きく染め出したもの。室町時代に始まり、近世には五位の武家(諸大夫)以上の通常礼装となった。〔書言字考節用集(1717)〕
※とはずがたり(14C前)三「をなじ御ざのきたに、大もん二でうをしきて」

おお‐もん おほ‥【大文・大紋】

〘名〙 織物の大きな模様、または大形の文柄。だいもん。
※栄花(1028‐92頃)御裳着御簾(みす)の縁(へり)には青き大もんの織物をぞせさせ給へる」

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