大槌町(読み)おおつち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大槌町」の意味・わかりやすい解説

大槌〔町〕
おおつち

岩手県東部,太平洋に面し,釜石市の北にある町。1889年町制。1955年金沢村と合体町名中世からのもので,アイヌ語に由来するとされる。東は大槌湾,船越湾に臨み,町域は北西に延びる。大槌湾内の安渡(あんど)は良港として古くから開発され,近世には,盛岡藩最大の廻船問屋,吉里吉里善兵衛(きりきりぜんべえ)こと前川善兵衛の拠点となり,江戸との取り引きの基地となった。大槌川,小槌川は南部鼻曲がりサケで有名。サケ・マス人工孵化場があり,ホタテガイやワカメ養殖も盛んである。東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センターがある。浪板付近の海岸は背後に鯨山が迫り,「片寄せ波」で知られる景勝地。海岸は三陸復興国立公園に属する。2011年,東北地方太平洋沖地震に伴う津波により大きな被害を受けた。海岸沿いに JR山田線,国道45号線が通る。面積 200.42km2。人口 1万1004(2020)。

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