日本歴史地名大系 「大甕神社」の解説 大甕神社おおみかじんじや 茨城県:日立市久慈村大甕神社[現在地名]日立市大みか町六丁目 大甕石名坂(いしなざか)の上にあり、祭神は建葉槌命。旧村社。境内の常緑広葉樹林は市指定の天然記念物。社伝によると初めは石名坂村にあったが、元禄八年(一六九五)宿魂石(しゆくこんせき)の上に移されたといい、「水藩神明録」には倭文(しず)神宮と異記される。祭神建葉槌命は「日本書紀」に倭文神建葉槌命とあり、武の神と倭文(織物工芸)の神の神格が認められ、大甕神社はこの二つの神格を重んじていた。宿魂石は雷断石(らいだんせき)ともよばれる。両石を別とする説もあるが、いずれも同じ石をさし、次の伝説がある。昔、鹿島の武甕槌命と香取の経津主命が常陸国経略の軍を進めたとき、この地一帯を支配する香々背男が激しく抵抗した。香々背男は勝誇って巨岩と化し、その成長ぶりは天をも突破る勢いであった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by