大番屋(読み)おおばんや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大番屋」の意味・わかりやすい解説

大番屋
おおばんや

江戸時代町人の自警組織である自身番のもつ番屋のうち大形のもの。廻(まわ)り方同心が犯罪をキャッチした場合、まず自身番屋で事情を聞き、判断次第で、留置施設のある大番屋に送る。ここでさらに調べるため、一名、調べ番屋ともいう。罪科が動かぬとなると、町奉行(まちぶぎょう)に入牢(じゅろう)証文請求、下付されるまで被疑者を預かった。江戸には7、8か所あり、八丁堀の大番屋、材木町の「三四の番屋」など捕物三つ道具が備えてあり、拷問を行うこともあった。

稲垣史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android