江戸浄瑠璃(読み)エドジョウルリ

デジタル大辞泉 「江戸浄瑠璃」の意味・読み・例文・類語

えど‐じょうるり〔‐ジヤウルリ〕【江戸浄瑠璃】

江戸で発生し、流行した浄瑠璃総称。古くは薩摩節さつまぶし金平節きんぴらぶし土佐節外記節げきぶし永閑節大薩摩節おおざつまぶし半太夫節、やや遅れて、享保(1716~1736)以降の河東節かとうぶし常磐津節ときわずぶし富本節清元節新内節などをいう。一般には、河東節以降のものをさす場合が多い。吾妻あずま浄瑠璃。→江戸節上方かみがた浄瑠璃

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精選版 日本国語大辞典 「江戸浄瑠璃」の意味・読み・例文・類語

えど‐じょうるり‥ジャウルリ【江戸浄瑠璃】

  1. 〘 名詞 〙 江戸に発生した浄瑠璃節。広義には、元祿一六八八‐一七〇四)以前の古浄瑠璃も含めるが、狭義には、元祿以後外記節、半太夫節、河東節などの称。これに常磐津富本清元新内などの豊後節系統を含めることもあり、別に享保(一七一六‐三六)以後、江戸で書かれた義太夫浄瑠璃の意にも用いられる。
    1. [初出の実例]「あっさりとしたる所が面白し 江戸浄瑠璃は干鮭の味」(出典:雑俳・よりくり(1704))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江戸浄瑠璃」の意味・わかりやすい解説

江戸浄瑠璃
えどじょうるり

日本音楽の分類名称。 (1) 上方義太夫節に対して,江戸の河東節,常磐津節,富本節,清元節,新内節などをいう。享保 (1716~36) 以後に,人形芝居の古浄瑠璃から歌舞伎伴奏用に転成した,歌曲性の濃厚な浄瑠璃である。 (2) 江戸で成立または発達した浄瑠璃を,古浄瑠璃も含めて一般的にいう。その古浄瑠璃には,薩摩節肥前節,金平 (きんぴら) 節,永閑節,外記 (げき) 節,土佐節,半太夫節などがある。土佐節は,土佐少掾流派で,京都の山本土佐掾とは無関係。 (3) 義太夫節のうち,江戸作者による作品をいうこともある。福内鬼外の『神霊矢口渡』,紀上太郎の『碁太平記白石噺』,松貫四,司馬芝叟合作の『伽羅 (めいぼく) 先代萩』など。

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世界大百科事典(旧版)内の江戸浄瑠璃の言及

【浄瑠璃】より

…やはり豊後系の鶴賀若狭掾の弟子鶴賀新内は妖艶な新内節の曲風を語った。河東節,豊後三流,新内節を江戸浄瑠璃ともいう。豊後掾の門弟宮古路薗八が京で薗八節(宮薗節)を広め,この分派の春富士正伝が正伝節を上方の歌舞伎で語り,豊後掾の門弟宮古路繁太夫は繁太夫(しげたゆう)節を元文(1736‐41)ころから大坂の劇場や座敷で語った。…

※「江戸浄瑠璃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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