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大薩摩主膳太夫 おおざつましゅぜんだゆう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大薩摩主膳太夫
おおざつましゅぜんだゆう

[生]元禄8(1695)
[没]宝暦9(1759)
大薩摩節浄瑠璃の家元。水戸の出身で芝源助といったが,最初薩摩文五郎と名のり,のちには大薩摩外記藤原直勝とも号した。薩摩外記の高弟で,正徳2 (1712) 年頃から操人形芝居の興行を始め,享保初年に歌舞伎に出て,外記節 (げきぶし) に代って荒事 (あらごと) の伴奏をつとめた。享保 14 (29) 年正月,中村座の『鏃 (やのね) 五郎』の演奏が特に好評を得た。なお2世 (享保 14〈1729〉~安永6〈1777〉) は1世の子の朝日太夫が,3世 (?~寛政 12〈1800〉) は1世または2世の門の初世太夫が継いだ。

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世界大百科事典 第2版の解説

おおざつましゅぜんだゆう【大薩摩主膳太夫】

大薩摩節の家元。3世をもって絶える。(1)初世(1695‐1759∥元禄8‐宝暦9) 大薩摩節の流祖。前名薩摩文五郎。享保初年(1720年ころ)に大薩摩節を創始,大薩摩主膳太夫と改名する。江戸歌舞伎荒事の伴奏を勤めて好評を博す。(2)2世(1729‐77∥享保14‐安永6) 初世の子と伝えられる。前名大薩摩右扇太夫。1760年(宝暦10)主膳太夫を襲名。64年(明和1)11月,江戸市村座で長唄の初世富士田吉治と《鞭桜宇佐幣(むちざくらうさのみてぐら)》の掛合に出演する。

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世界大百科事典内の大薩摩主膳太夫の言及

【大薩摩節】より

…江戸時代の初め,京都から江戸に下った浄瑠璃語り薩摩浄雲の流れをくむ硬派の浄瑠璃。文献では薩摩外記大掾藤原直政の門弟薩摩文五郎が大薩摩主膳太夫と改名して享保初年(1720年ころ)に創始したといわれる。享保~宝暦期(18世紀中ころ)に江戸歌舞伎の市川流荒事の伴奏音楽として全盛期をむかえたが,中期以後しだいに,長唄や豊後節系浄瑠璃に圧倒されて衰退,1826年(文政9),家元権が4世杵屋(きねや)三郎助(のち10世六左衛門)にあずけられ,さらに68年(明治1)にはその家元権が正式に3世杵屋勘五郎に譲与されて,長唄に吸収された。…

【外記節】より

…2世は操り芝居を興行していたが歌舞伎芝居にも出演,市川流の荒事に用いられた。しかし享保初年(1710年代後半)ころ門弟の大薩摩主膳太夫(おおざつましゆぜんだゆう)が代わって歌舞伎芝居へ出演するようになって,外記節はしだいに衰えた。大薩摩節が後年長唄に吸収されたこともあって,外記節の楽風は大薩摩とともに長唄に残ったといわれる。…

※「大薩摩主膳太夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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