浅葱幕(読み)あさぎまく

精選版 日本国語大辞典 「浅葱幕」の意味・読み・例文・類語

あさぎ‐まく【浅葱幕・浅黄幕】

  1. 〘 名詞 〙 歌舞伎で用いる幕の一種。あさぎ色の無地木綿で作り、本幕引幕)の内側に吊り、これを落として舞台光景を一変させるために用いる。
    1. [初出の実例]「造り物、平舞台。向ふ浅黄まく、真中に葦簾囲(よしずがこ)いの茶店」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)三)

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百科事典マイペディア 「浅葱幕」の意味・わかりやすい解説

浅葱幕【あさぎまく】

歌舞伎劇で使われる幕の一種。日中戸外を表現するもので浅葱すなわち水色の幕。ふつう開幕の際,引幕の後ろにこの幕を張り,天井からつった竹の栓(せん)の仕掛で適当な時機に切って落とし,舞台装置俳優の姿を一瞬うち観客の目に映す効果をあげる。
→関連項目

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浅葱幕」の意味・わかりやすい解説

浅黄幕
あさぎまく

歌舞伎(かぶき)大道具の一種で、浅黄(浅葱(あさぎ))一色の布を縫い合わせた幕。普通、舞台装置や俳優の姿を瞬時に見せたり、隠す効果のため、天井からつった竹の栓(せん)の仕掛けで、切って落としたり、振りかぶせたりする。浅黄は日中の屋外を象徴的に表現する色なので、背景の代わりにも使う。

[松井俊諭]

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世界大百科事典(旧版)内の浅葱幕の言及

【歌舞伎】より

… 振落し(ふりおとし)瞬時に幕を上部から落とす手法。浅葱幕,黒幕などを〈振竹(ふりだけ)〉に吊り,仕掛けでパラリと落とすことにより,次の舞台面を印象づける。 幕外(まくそと)幕切れに,幕を引いた外側,おもに花道でさらに演技が続く状態をいう。…

※「浅葱幕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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