天台座主記(読み)てんだいざすき

百科事典マイペディア 「天台座主記」の意味・わかりやすい解説

天台座主記【てんだいざすき】

天台座主(天台宗延暦寺管主の公称)の補任歴名記(ぶにんれきみょうき)。多くの伝本があるが,《続群書類従所収のものは最澄から書き起こし,座主第1世の義真(ぎしん)から第87世澄覚(ちょうがく)までの家系や治山中の重要事項などを詳述している。《群書類従》所収のものは,第1代から第167代尊朝(そんちょう)までを記すが,抄略本である。成立は,前者が13世紀末頃,後者が16世紀前半頃と推定されている。なお1935年に刊行された《(校訂増補)天台座主記》は,第246世勝契(しょうけい)(1927年死去)までを記述している。
→関連項目中河御厨

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改訂新版 世界大百科事典 「天台座主記」の意味・わかりやすい解説

天台座主記 (てんだいざすき)

天台座主の補任歴名記。2書あるが,ともに1巻で,著者は不明。《続群書類従》所収のものは,最澄の生年(767)より書き起こし,座主は第1代義真から第87代(ただし本文は88代)澄覚までを記し,家系・法系・任日をはじめとし治山中の重要事項が詳しく記されている。これに対し《群書類従》所収のものは,第1代から第167代尊朝までを記すが,家系・法系・任日・没時が中心である。成立年は不詳であるが前者は13世紀末ころ,後者は16世紀前半ころに成立したとも推定されている。
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