中河御厨(読み)なかがわのみくりや

百科事典マイペディアの解説

中河御厨【なかがわのみくりや】

美濃国安八(あんぱち)郡に設定された伊勢神宮領の御厨(みくりや)。現岐阜県大垣市中川町を遺称地とする。《天台座主記》によると,1122年当御厨を延暦(えんりゃく)寺領平野(ひらの)荘(現岐阜県神戸町)の加納とするよう,延暦寺中門堂衆が朝廷に訴えている。保元年間(1156−1159)当御厨は院宣(いんぜん)によって美濃国内50戸の神戸(かんべ)の代わりとして済所とされ,代米366石余を神宮に納めることになったという。鎌倉時代初めには田数356町,神税は内宮に米50石・長絹20疋,外宮に米25石・長絹10疋であった(《神鳳鈔》)。地頭職北条氏得宗(とくそう)が所持したが,鎌倉幕府滅亡後は小笠原(おがさわら)氏が領有した。室町時代には幕府の御料所(ごりょうしょ)となったとみられる。戦国時代になると御厨としての実体はしだいに失われ,史料にも中河荘あるいは中川の名でみえるのが一般的となる。

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世界大百科事典 第2版の解説

なかがわのみくりや【中河御厨】

美濃国安八郡に設定された伊勢神宮(内・外宮)領の御厨(現,岐阜県大垣市中川)で,成立は嘉承(1106‐08)以前。《神宮雑例集》に〈美濃国五十戸,保元院宣中河御厨をもって,済所となす〉とあり,美濃国の神宮領封戸(ふこ)が保元(1156‐59)の院宣によって便補(びんぽ)され,中河御厨が済所となったことがわかる。建久3年(1192)8月の伊勢大神宮神領注文(《神宮雑書》)に〈中河御厨(二宮上分絹廿疋) 給主左兵衛督家(一条能保)〉と見え,源頼朝の妹婿一条能保がかかわっていたことがわかる。

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