日本歴史地名大系 「中河御厨」の解説
中河御厨
なかがわのみくりや
安八郡にあった伊勢神宮領の御厨。北は
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
安八郡にあった伊勢神宮領の御厨。北は
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美濃国安八郡に設定された伊勢神宮(内・外宮)領の御厨(現,岐阜県大垣市中川)で,成立は嘉承(1106-08)以前。《神宮雑例集》に〈美濃国五十戸,保元院宣中河御厨をもって,済所となす〉とあり,美濃国の神宮領封戸(ふこ)が保元(1156-59)の院宣によって便補(びんぽ)され,中河御厨が済所となったことがわかる。建久3年(1192)8月の伊勢大神宮神領注文(《神宮雑書》)に〈中河御厨(二宮上分絹廿疋) 給主左兵衛督家(一条能保)〉と見え,源頼朝の妹婿一条能保がかかわっていたことがわかる。このころ田数356町,神税は内宮50石,長絹20疋,外宮25石,長絹10疋であった。鎌倉期の地頭職は得宗領となっており,幕府の滅亡後,同職はいったん小笠原氏の領有に帰したが,やがて室町幕府の御料所となったようで,幕府官僚が代官職をあてがわれている。戦国動乱の中で御厨としての実体はしだいに失われ,1587年(天正15)の神宮修理料ならびに供田注文(《慶光院文書》)では,米75石7斗,銭46貫文が書きあげられているが,実際には納入は滞りがちであったらしい。このころ神税と別に当厨からは給人池田輝政に5貫文,森忠政に7貫文があてがわれていた。
執筆者:西山 克
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